Aug 24, 2026
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注目すべきボッテガ・ヴェネタのメンズレディトゥウェア

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バッグや財布の話題ばかりが先行しがちなブランドにも、実は静かに進化を続けているカテゴリーがある。ボッテガ・ヴェネタのメンズレディトゥウェアだ。ルイーズ・トロッターが手がけた最初のフルシーズンのメンズコレクションは、テーラリングそのものを一から見直すという、思った以上に野心的な内容になっている。

このガイドでは、今のボッテガ・ヴェネタのメンズウェアで実際に注目されているポイントを、コレクションの背景から具体的なアイテムまで掘り下げて紹介する。

ショールームから工房への回帰

ボッテガ ヴェネタ のメンズコレクションについて、トロッターが目指したのは「仕立てをショールームから工房へ取り戻す」という発想だった。生地、フォルム、そして手の動きそのものを、あらためて職人の手仕事の中で捉え直すという方針は、単なる見た目の刷新以上の意味を持っている。

コートもスーツもパンツも、まるで内側から組み立てられているかのような作りになっていて、裏地や芯地、裁断そのものが構造として機能している。この繊細でありながら緻密な仕上がりは、遠目には気づきにくいが、実際に袖を通すと明確に感じ取れる違いだ。

彫刻的な肩線と柔らかいドレープの共存

今シーズンのテーラリングで特に語られているのが、彫刻のようにしっかりとした肩のラインと、そこから続く柔らかなドレープの組み合わせだ。硬さと柔らかさという、本来相反する要素を一着の中に同居させるという試みは、簡単なようでいて実際には高度な技術を要する。

スーツはただ形を保つのではなく、着る人の動きに合わせてゆっくりと形を変えていくような作りになっている。呼吸するように動くテーラリングという表現がされているのも、この柔軟さゆえだ。

ウールとレザーを粘土のように扱うという発想

素材の使い方にも独自の哲学が見える。ウールギャバジン、ペーパーコットン、洗い加工を施したレザーが、まるで粘土のように扱われ、着用を重ねるごとに形が変化していくことを前提に設計されている。

この考え方は、完成された一着を売るのではなく、着る人とともに育っていく一着を提案するという姿勢の表れだ。素材そのものが硬直したものではなく、時間とともに変化する生きた存在として扱われている点が、他の多くのブランドのテーラリングとは一線を画している。

ニットウェアに宿る即興的な遊び心

スーツ以外では、ニットウェアの表現にも独自の工夫が光る。スカーフを盾のように巻きつけたり、セーターを結んで落ち着きを演出したりと、決まりきったスタイリングではなく、その場での即興性を感じさせる着こなしが提案されている。

この自由度の高さは、フォーマルなテーラリングとカジュアルなニットが同じコレクションの中で自然に共存していることを示している。堅苦しさを避けながらも、作りの丁寧さは一貫している点が、このコレクションの大きな特徴だ。

拡張されたイントレチャートが服そのものに広がる

ハンドバッグの代名詞であるイントレチャートの編み込みは、今シーズン、バッグだけでなくダッフルバッグやトート、そして服そのものにまで応用されている。編み込みのサイズを拡張し、大胆な表情を持たせることで、アクセサリーとしてではなく、生地そのものの一部として機能させている。

この試みは、ブランドの職人技を単なる装飾としてではなく、作りの手法そのものとして前面に押し出す狙いがある。粘土色やグラファイト、ベジタブルイエローといった落ち着いた色使いの中に、この拡張されたイントレチャートが加わることで、シンプルながらも奥行きのある表情が生まれている。

足元に表れる遊び心と実用性の両立

シューズにおいても、コレクション全体のテクスチャーへのこだわりが反映されている。もこもことした質感の入ったヒールや、結び目のディテールを施したスライドサンダルなど、遊び心のあるデザインが目を引く一方で、ダービーシューズやタッセルローファー、細身のレースアップドレスシューズといった伝統的なスタイルもしっかりと展開されている。

この振れ幅の広さは、フォーマルな場面にもカジュアルな場面にも対応できる柔軟性を持たせるための意図的な構成だと言える。派手なアイテムだけに偏らず、日常的に履ける定番も併せて提案しているバランス感覚は、実際に買い物をする側にとってもありがたいポイントだ。

スネークスキンという継続するモチーフ

シーズンをまたいで受け継がれているモチーフの一つが、スネークスキンのプリントだ。複数のシルエットに展開されているこの柄は、コレクション全体のやや大胆な方向性の中でも、比較的取り入れやすいアクセントとして機能している。

派手すぎず、それでいて存在感のあるこのモチーフは、テーラードなアイテムに一点加えるだけで、全体の印象を引き締めてくれる。

実際に取り入れるならどこから始めるか

コレクション全体を一度に取り入れる必要はない。まずは、拡張されたイントレチャートを使ったニットやアクセサリー小物から取り入れてみると、コレクションの世界観を無理なく日常に落とし込むことができる。

よりフォーマルな場面での投資を考えているなら、彫刻的な肩線を持つコートやジャケットが、コレクションの核となる哲学を最も強く体感できる一着になる。柔らかさと構築性が同居するその作りは、実際に袖を通してみて初めて実感できる部分が大きい。

このコレクションが示す方向性

トロッターのメンズコレクションは、派手な話題性よりも、作りそのものへの信頼を積み重ねていくという方向性を選んでいる。ショールームではなく工房から発想するという姿勢は、短期的なトレンドではなく、長く着られる一着を作るための土台になっている。

バッグや小物に目が向きがちなブランドだからこそ、このメンズレディトゥウェアの丁寧な仕上がりは、実際に見て、触れて、袖を通してみる価値がある。今シーズンのコレクションは、ボッテガ・ヴェネタが服作りにおいても本気であることを、静かに、しかし確実に伝えている。

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Fashion